今年で早くも5回目を数えるデラヒーバカップ、今年は格闘技メーカーのイサミの協賛で無差別級をイサミ杯として開催しました。
イサミ杯とは2002年に初開催された無差別級のトーナメントの賞金マッチで優勝者には多額の賞金が贈与され大きな話題を集めた大会です。
今大会では賞金ではなくイサミで使える商品券になりましたが、選手にとっては大きなモチヴェーションになったようで多くの出場選手を集め大盛況となりました。


デラヒーバが各マットの第1試合開始の合図を。「コンバッチ!」の声で試合スタート!

特筆すべきは黒帯のトーナメントで日本人選手8人と海外から参戦のデラヒーバ門下生のブラジル人がエントリーし、総勢9人で覇を競われました。
黒帯が多くなったといわれる日本の柔術シーンでも国内でこれだけの黒帯がそろうトーナメントは珍しく、出場者だけでなく観戦者も多く会場に詰め掛けました。
それもそのはず、エントリーしていたのは小野瀬選手を筆頭に時任選手、入来選手と国内トップ選手ばかり。
そこにデラヒーバの黒帯を巻くブラジリアン、チアゴが加わったのですからアマ大会としては異例の豪華トーナメントです。

まず1回戦で優勝候補と目されていた小野瀬vs入来というトップ対決がいきなり実現。

イサミ杯・黒帯1回戦、屈指の好カード、小野瀬vs入来は僅差で小野瀬勝利!

この顔合わせに「最初から厳しい相手!」と小野瀬選手は苦笑いをしましたが、この体重差のある対戦を得意のスパイダーガードを駆使してレフェリー判定で勝利して準決勝進出。

しかし準決勝ではチアゴとの対戦になり、入来選手との試合以上の体重差のある試合となり大苦戦。

小野瀬vsチアゴの対格差のある対戦は動きが少なく膠着のペナルティが両者に入る。

試合序盤にワキ腹を痛めるアクシデントがありながらも果敢に戦いましたが動きが少ない試合展開に互いに膠着のペナルティ。
また試合後半にハーフガードを許してしまいノーポイントながらアドバンテージ差で敗退となりました。

試合終盤にチアゴがハーフを奪い辛勝。

もう一人の優勝候補、時任選手は1回戦で黒帯初戦の高本選手を一本で降し、片岡選手との元・同門対決に挑みました。

時任vs片岡の元同門対決は時任がモンジバカで一蹴!

互いに手の内を知り尽くしているだけにやり辛いかと思われましたが、この試合は時任選手の一方的な展開に。
代名詞的なホレッタスイープで転がすとそのまめ手首を捻るモンジバカで一蹴、2試合連続の一本勝利で決勝戦に進出です。
この結果により決勝戦は時任選手とチアゴの対戦となり日本vsブラジルの国際戦という決勝戦にふさわしい顔合わせになりました。

黒帯決勝戦は日本vsブラジルの国際戦!時任のスイープが冴えるがポイント奪取には至らず。


まずは引き込んだ時任選手がホレッタ狙いとチアゴがカウンターを狙うという展開。
ですが幾度となくチアゴのギの袖が抜けてそのたびの試合が中断してしまいます。
時任選手もホレッタでスイープ寸前までいくのですが、どうしても絡みついた足を外すことができずにアドバンテージまででポイント奪取には至りません。
そして試合終盤、またホレッタで返した時任選手にチアゴがカウンターでアンクルロックとヒザ固めのコンビネーションを極めます。

スイープされながらもチアゴはカウンターで足関節!これが極まり時任選手の足から鈍い音が…。

足首が柔らかい時任選手は極まってないことをアピールするもレフェリーは異音を聞き逃さずに試合をストップ、チアゴの勝利となりました。

試合終了間際のレフェリーストップに不満げな表情の時任選手。

なんと試合終了まで残り2秒のところで止められてしまった時任選手でしたが「自分的には極まっていなかったんで止められたのは残念ですが、
レフェリーの判定は絶対なんで、それに従います。」と潔いコメント。

チアゴは急遽参戦にも関わらず小野瀬、時任の日本トップの2選手を降しての堂々の優勝で「最高の気分だ!また来年も出たい」と
早くも来年の参戦アピールをしていました。

チアゴが優勝し商品券10万円分をゲット!

優勝したチアゴ・ドミンゲス。オーランド在住のブラジリアンでデラヒーバから授かった黒帯を巻く26歳。

またこのイサミ杯の黒帯トーナメントは優勝こそチアゴですが準優勝と3位は現・元のPUREBREDの3選手が占めました。
現在、単体アカデミーでは日本で一番多くの黒帯が在籍するPUREBREDの面目躍如といったところでしょうか。

このようにデラヒーバカップ東京大会2日目はイサミ杯・黒帯トーナメントが大いに盛り上がり、その余韻を残しつつで幕を閉じました。
また来年、今回以上の黒帯の試合が実現することを期待しつつ、このレポートを締めたいと思います。

なお主な結果は以下の通り。


<団体戦>
優勝  GRABAKA柔術クラブ
準優勝 パラエストラ川越
3位  デラヒーバジャパン


<黒帯>
優勝  チアゴ・ドミンゲス(デラヒーバジャパン)
準優勝 時任拓磨(PUREBRED大宮)
3位  小野瀬龍也(REDIPS)片岡誠人(リバーサルジム)


<茶帯>
優勝  山本 健一郎(グラスコ柔術アカデミー)
準優勝 塚田 市太郎(ノヴァウニオンジャパン)
3位  金子竜也(パラエストラ東京)奥田照幸(X-TREME柔術アカデミー)


<紫帯>
優勝  吉田 和弘(パラエストラ古河)
準優勝 中塚靖人(グレイシーバッハ東京)
3位  マルティネス・スティーヴン(GRABAKA)大塚博明(GRABAKA)


<青帯>
優勝   中倉 三四郎(パラエストラ川越)
準優勝 田中 康友(小江戸柔術)


<白帯>
優勝  小野瀬 拓見(パラエストラ川崎)
準優勝 宮地 一裕(roots)


<女子・青紫>
優勝  深津佐和子(ポゴナクラブジム)
準優勝 日下美代子(GRABAKA柔術クラブ)