■ブラジリアン柔術競技規則
■衣(道衣)および試合用具

道衣は国際ブラジリアン柔術連盟が定める道衣規約に則って、チェッカー(計測器)によるチェックを行う。以下の道衣規約に示すサイズが道衣寸法の最低サイズとなり、これより小さいものは不可、これより大きいものは使用可となる。審判が適当でないと判断した場合や、試合中に道衣が破損した場合、競技者は速やかに代わりの道衣を用意しなくてはならない。また試合中に、ズボンが破損した場合、競技者は破損した物の上から新しいズボンを着用しなくてはならない。速やかに道衣が用意できない場合、その競技者は失格となる。

・道衣は柔術衣か柔道衣で、色は自由。破損などがなく、きれいに洗濯された物であること。不衛生な物、不快な匂いのするものや、サンボ着、空手着などは使用不可。
・上着の丈は、臀部が完全に隠れる程度の長さでなければならない。
・ズボンの丈は、踝に到達する程度の長さでなければならない。
・襟の厚さは1.15cm以内、襟の幅は4.95cm以内、袖の余り幅(袖口から脇の下まで)は6.8cm以上であること。この寸法は連盟に定めるチェッカー(計測器)によって試合前に計測される。
・女子は道衣の下にTシャツ等を着用のこと。逆に男子はTシャツ等の着用は禁止とする。
・破損したり、脱げたりする危険を鑑みて、道衣のズボンの下にはショーツかパンツを着用することが望ましい。
・イヤーガードの使用はOKだが、布製のモノを使用すること。指輪、ブレスレッ卜、ぺンダン卜などのアクセサリーを外さなければならない。膝、肘などのサポーターおよびテーピングはレフェリーチェックの上、使用してもよい。
・レスリングシューズ又はサンボシューズを使用する場合、競技者はその必要性を医師の証書で証明せねばならない。
・爪は伸ばしたままであってはならない。

■勝敗の決定

勝敗は次のように決する。両者失格によるもの以外、引き分けはないものとする。

・一本
a.ルールで許されている絞め技、関節技によるギブアップ(アダルト以上の年齢カテゴリーに“見込み一本”はない。)
b.競技者本人あるいはセコンドによる棄権。
c.ドクターによるストップ。(反則攻撃によるダメージでない場合。)
d.許された攻撃による意識の喪失。
e.レフェリーによるストップ。

・判定による優勢勝ち
a.まずは獲得ポイントによる判定。
b.ポイントが同点の場合、アドバンテージ数による判定。
c.アドバンテージが同数の場合、反則に対する注意(マイナス)の回数で判定。


・レフェリー判定勝ち
a.獲得ポイント、アドバンテージ数、反則に対する注意の回数の全てが同様であった場合は、レフェリーの判断で勝敗を決する。
b.判断の観点となるのは、アグレッシブネスといかに試合を優勢に支配していたか。立技でも寝技でも攻撃や技能的イニシアチブをとった姿勢を示し、一方を守りの状況に追い込み、試合を優位に支配していた証拠を示した選手に対し、有利に勝敗を判定する。

・反則勝ち
反則(第5章参照)によって一本の選手が失格となった場合。

・両者失格による引き分け
立ち技に膠着などで双方同時に注意を与えることがあるため、両者失格となることが理論上ありうる。トーナメントの場合は、次の試合は対戦相手の不戦勝となる。また決勝で両者失格となった場合は、延長や3位決定戦は行わず1位、2位は空位となる。

■ポイント・システム

●2ポイントの技

・テイクダウン(略称:TD)
a.投げ技、又は捨て身技で相手を倒す。仰向け又は横向きで、勢いをもってマットに落ちた場合に2ポイントとなる。この時は、すぐに立たれてもポイントが与えられる。
b.テイクダウンを仕掛けられ、うつ伏せあるいは跪いて倒れた相手に、技を仕掛けた競技者が上から後ろについた場合も、その体勢を3秒キープすれば
2ポイントとなる。
c.仰向きや横向きでなく相手を投げ倒した場合、3秒以上継続して相手を下にするか、技を仕掛けた競技者が相手の背中に乗り上をキープしなくてはならない。
d.一方の競技者がタックルを仕掛け、もう一方がスイープなどを仕掛けた場
合、結果的に上になった競技者に2ポイントが与えられ、下になった競技者にはアドバンテージも与えられない。但し、一方が完全に仰向け又は横向きで勢いをもってマットに投げられたが、結果的に上にはなれなかったという状況の場合のみ、投げた競技者に2ポイントが与えられ、上になった競技者にはアドバンテージのみをカウントする。
e.一方の競技者が片脚で跪いた状態からテイクダウンされた場合でも、テイクダウンを仕掛けた競技者に2ポイントが与えられる。
f.投げやタックルを仕掛けた競技者が失敗して下になっても、相手の意志を持った攻撃を受けていない限り、ポイントにならない。

・スイープ=リバーサル(略称:RV)
a.寝技で、下にいる競技者がガ−ド、又はハーフ・ガードから体勢を変え、あるいは立ち上がり、自分が上になって相手が下になるか、自分が上で後ろをキープし、その体勢を3秒以上保つと2ポイント。この時、下にいる競技者のガードかハーフ・ガードからの流れでない限り、すべての逆転行動はスイープと見なされない。(横四方固めで完全に抑えられた状態から、上下を入れ替えることに成功しても、2ポイントにはならない。)
b.上になっている競技者が、下になっている競技者に対して寝技に誘って引き込み、それに乗じて下の競技者が上になった時も、2ポイントとなる場合がある。しかしスイープをしたが、同時に下になった相手の関節技あるいは絞め技にかかっている場合は、それが解けるまでスイープ成功とは認められない。

・二ー・イン・ザ・ベリー(略称:KIB)
相手の腹部、又は胸に片膝をつけ、相手の頭に近い方の膝をマッ卜から離し、3秒以上その体勢を保つ。もし下になっている競技者が腹に膝を置かせなかったり、上にいる競技者が頭部や胴体をロックされたり、しっかりキープできていない場合はポイントにならず、アドバンテージもつかない。

●3ポイントの技

・パス・ガード(略称:PG)
a.相手のガード、又はハーフ・ガードから抜けて、
相手を3秒以上抑え込む。抑えた時に、相手が横倒しになっていたり、相手が上になった競技者の脇を差していても、その状態で動きを封じられればパス・ガードに認められ、3ポイントが与えられる。この時、下から関節技や絞め技、スパイダーガードなどを掛けられているような場合は、それから逃れたときに3ポイントが与えられる。
b.一度パス・ガードした後、相手にハーフガードまで戻された場合、その足を抜けば再びパスガードで3ポイントが追加される。
c.攻防中に下の競技者が、パスを許さないよう膝立ちになったり立ち上がったりした場合は、パス・ガードの攻勢とは認められずアドバンテージはつかない。完全にパス・ガードするまでに上下が入れ替わった場合はスイープとなり得る。

●4ポイントの技

・マウント(略称:M)
a.仰向け、横向き、又はうつ伏せになった相手に馬乗りになり、片膝又は両膝をマッ卜につけて、その体勢を3秒以上保つと、4ポイントが与えられる。この時、下から関節技や絞め技を掛けられているような場合は、それを解くまでマウントとは認められない。
b.マウントは相手の片方の腕の上にいても良いが、両腕の上にいることはできず、この場合はマウントとは見なされない。
c.ガードから三角絞めを仕掛け、上になった場合はスイープと見なされ、マウントとは認められない。

・バック(略称:B)
立技、寝技を問わず、相手の背中にくっつき、両足を相手の腰にからませ、その体勢から逃れられないようにコントロールし、3秒以上保つと、4ポイントが与えられる。この時は両足のかかとが、相手の股間を圧迫していなければならない。足を組んだり、三角に胴を締めている場合はバックとは認められない。(反則ではない。)

■連続して追加されるポイント

流れの中で、ポイントを2つ以上組み合わせることが可能な場合がある。

・投げ技(2ポイン卜)から直接ニー・イン・ザ・べリー(2ボイン卜)で、計4
ポイン卜。

・スイ―プ(2ポイン卜)から直接マウン卜(4ポイン卜)、計6ポイン卜。

・パス・ガード(3ポイント)から直接ニー・イン・ザ・べリー(2ポイン卜)、さらにすぐにマウント(4ポイント)して計9ポイン卜。この時はすぐさまマウントに移行し、体勢をキープできればニー・イン・ザ・べリーの体勢で3秒以上抑え込まなくとも良い。

・マウン卜(4ポイン卜)からバック(4ポイン卜)
に移行し、計8ポイント。逆にバック(4ポイン卜)から仰向けのマウン卜(4ポイン卜)に移行しても、計8ポイントとなる。但し一度連続してポイントが加算されると、一度ガードにリセットされない限り、元のポジションに戻っても4ポイントの追加点は与えられない。

・ガードの攻防中、直接ニー・イン・ザ・ベリー(2ポイン卜)を取ると、パス・ガード(3ポイント)もしたものと見なし、計5ポイン卜。

・ガードの攻防中、直接マウン卜(4ポイン卜)を取ると、パス・ガード(3ポイント)もしたものと見なし、計7ポイン卜。

■連続して追加されないポイント

相手を制するポジションにいて、そのポジションのポイントを獲得済みの競技者が、新たに同じポイントあるいはそれよりも低いポイントを得るため、ポジションを自発的に放棄すると、新たなポイントは獲得できない。(但し、パスガードからニー・イン・ザ・ベリーへと繋いだ場合を除く。)

・ニー・イン・ザ・べリーから、同じ側或いは反対側から、再びニー・イン・ザ・べリーを掛ける。
・マウントからの抑え込みに戻って、再びマウントに戻る。
・マウント又はバックから、ニー・イン・ザ・べリーに移行する。
・一度パス・ガードした後、相手に故意に足を絡ませて、再びその足を抜いてパスガードする。

■ポイントが与えられない状況

一つの攻撃を掛けつつあったか、又はポイントに値するポジションにいたが、相手による別の攻撃に捕まっているような場合にはポイントは与えられない。相手のその攻撃から逃れ、その時点で有用な攻撃が持続しているか、ポジションをキープしていた場合のみ、ポイントがカウントされる。

■アドバンテージ

アドバンテージの定義

ポイントに至らない技でも、有効な技術にはアドバンテージが与えられる。アドバンテージはいくら重なってもポイントとはならないが、試合が同点で終了した場合は、より多くのアドバンテージを獲得した競技者を勝者とする。

●立技におけるアドバンテージ

立技におけるアドバンテージは、より大きな衝動と力強さで、テイクダウンや決着的攻撃を掛けようと試みた競技者に与えられるものとする。

・両膝ともマットにつけている相手に対し、立っている競技者がそれを投げ倒し、脇にパスし、ポジションをキープした場合。
・完全な2ポイントとなるテイクダウンをされたが、流れの中で結果的に上になった場合。

●寝技におけるアドバンテージ

寝技におけるアドバンテージは、より大きな衝動と力強さ、そして技能をもって、相手を防御態勢に持っていこうとする競技者に与えられるものとする。

■ガードの攻防におけるアドバンテージ

・上の場合
a.ほとんどパス・ガードに近いところまで到達した場合。(元のポジションに戻るために多大なエネルギーを相手に費やさしめねばならない。)
b.ハーフ・ガードまで攻め込んで、相手の背中をマットにつけさせた場合。
c.かつぎ技でひっくり返し、有利なポジションをとった場合。

・下の場合
a.スイープしかけているが遂行できず、しかし相手を危険なポジションに追い込んだ場合。(裏返る位でなければならない。)
b.相手に対して勝負決着の危険をもたらすような攻撃をした場合。(絞め技、関節技など。)
c.上からパス・ガードを狙っている相手が足関節を掛けるが上手くいかず、下の競技者が上になってしまった時は、上になった競技者にアドバンテージを与える。

■その他のアドバンテージ

次のような場合もアドバンテージと成りうる。

・相手に対して、勝負決着の危険をもたらすような足関節技を仕掛けた場合。これに対して技を掛けられた競技者が上になっても、アドバンテージは与えられない。
・両者同時に引き込み、その後一方が上をとった場合。
・両者両膝立ち同士で、一方がテイクダウンした場合。
・カメになった競技者が相手の腕を巻き込み、抑え込むか、上になった場合。
・完全にうつ伏せになった競技者を仰向けにし、抑え込んだ時。(ただしパス・ガードの流れでない場合。)
・パス・ガードを狙っている上の競技者が、飛び乗ってマウントを狙ったが上手くいかず、下にあった競技者が上になってしまった場合、上になった競技者にアドバンテージを与える。
・パス・ガードを狙っている上の競技者が、飛びついて関節技や絞め技を狙ったが上手くいかず、下にあった競技者が上になってしまった場合、上になった競技者にアドバンテージを与える。
・抑え込みやニー・イン・ザ・ベリーで完全に制せられた状態から、ブリッジなどで上下を入れ替えた場合。(いわゆる鉄砲返し。)

■アドバンテージにならない場合

・マウントをブリッジなどで返して上になった場合。
・バックをとっているか、又は後ろについた競技者を、前に落として上になった場合。
・マウントやサイド・ポジションからの関節技や絞め技の失敗に乗じて上になった場合。
・相手の攻撃によってではなく、完全に自発的に動いて不利な状態となったとレフェリーが判断した場合。

■反則

●重大な反則

以下の行為は重大な反則であり、即座に失格負けとなる。

・噛み付き。

・目潰し。顔の正面を押す行為は禁止ではないが、鼻を押し上げる行為、目に指が入る危険性のある押し方は禁止される。

・金的への攻撃。

・打撃全般。

・頭髪を引っ張ること。

・故意であるなしにかかわらず、寝技の攻防中に下になっている相手を持ち上げてマッ卜に叩き落とすこと。

・ヒール・ホールドをかけること。ヒザ十字はOK。ヒザをひねらない足首固めや、裏アキレス、バックから胴締めしてきた相手の足首を決める技なども許される。ただし紫帯以下は、足を外側から内側に絡めないアキレス腱固めのみが許され、これ以外の足関節技は禁止となる。なお股関節を極める関節技は足関節技には含まず、すべてのカテゴリーで有効となる。

・帯を使用した絞め技。

・ネッククランク(首関節技)。ただしフロントチョーク(ギロチンチョーク)は認められる。なお絞め技を極めようとして首が極まってしまった場合は、この限りではない。

・紫帯以下は、アキレス腱固め以外の足関節技、立った状態で掛ける裸絞めおよびフロントチョーク、スネを使った二頭筋締め(キーロック)を禁止とする。ただし腕による二頭筋締めに関しては有効とする。

・サブミッションを掛けられた状態で、試合場から意識的に出ようとする。

・対戦相手、大会役員、レフェリーまたは公衆に対して、不適当な言葉を使ったり、悪態をついた場合。

・爪が伸びたままであったり、道衣やズボンが破損しているなど、大会運営本部の指定する開始時間に試合の用意ができていない場合。

・かにばさみ

・試合中に道衣やズボンが破損し、レフェリーの指定時間以内にそれを着替えない場合。

・ジュベニウ以下では手首固めを禁止とする。

・インファント・ジュベニウ以下では上記に加え、頭を引いて極める三角絞め、フロントチョーク(ギロチンチョーク)、袖車絞めを禁止とする。

・インファンティウ以下では上記に加え、オモプラータを禁止とする。

●中程度の反則

・スイープや、まだ完全に仕掛けられていない攻撃を避けるため、試合場から意識的に出ようとした場合、一度で対戦相手に2ポイントを与える。

・対戦相手の足に、外側から内側に向かって自分の足を絡める行為を行った時、レフェリーは口頭で注意し、その足を引き剥がす。再度同じ行為を行うと、即反則負けとなる。

●軽微な反則

以下の行為は重大とは見なされない反則である。第24条に定めた方法によってカウントされる。

・相手の袖や裾に指を入れる。

・拳、指、足の裏を使って、喉仏に直接チョークをすること。ただし手刀を使用した車絞めは有効。

・相手の指をつかむ。

・試合場の外に出る行為。

・肘などで相手の顔のツボを押す、故意に腕で鼻を締め上げるなどの攻撃。

・立ち技の攻防で膠着したまま攻撃しないでいると、審判から「攻撃するように」という注意が両者に与えられる。

・試合中に自分から道衣を脱ぐこと。

・下になっている選手が、ディフェンスを目的として相手の後ろ帯を両手で引きつける行為。ただし上になっている選手が、相手の帯を両手で持つことは有効とする。

・相手の帯に足を引っ掛ける行為。故意であるなしに係わらず、レフェリーはこれを解除するものとする。

・足の裏が完全に道衣の内側に入ってしまうように、上衣の裾を蹴る行為。

・相手を引き込む場合は、必ず相手の上半身のどこかを掴んでいなくてはならない。掴まずに、自ら座ると注意が与えられる。
・寝技の攻防中、どちらかが嫌って立ち上がった場合、寝ている競技者が立たされることはない。むしろ立っている競技者には攻撃が義務づけられる。攻められない場合は、注意が与えられる。

■反則のカウント方法

・反則に対する注意の際に与えられる「マイナス」は、アドバンテージでもポイントでもなく、判定の際に独立した格付けを持っている。

※マイナス・アドバンテージ、マイナス・ポイントと呼ぶ慣習があるが、注意によるマイナスによって獲得ポイントやアドバンテージ数から得点が引かれることはない。反則によるマイナスが与えられ、相手にポイントが加算されるだけである。

・軽微な反則があった場合、レフェリーはまず口頭で注意を与える。これは注意の回数には換算せず、マイナスも与えない。

・次の一回目の注意では、反則を行った選手に口頭で注意を与えると共にマイナス1を、相手にアドバンテージを与える。

・二回目の注意では、反則を行った選手に口頭で注意を与えると共にさらにマイナス1を、相手に2ポイントを与える。なお中程度の反則があった場合、レフェリーは一度で対戦相手に2ポイントを与えることもある。

・三回目以降の注意では、反則を行った選手に口頭で注意を与えると共にさらにマイナス1を、相手に2ポイントを与え、以後失格までそれが続く。三回目の注意以後、レフェリーはその程度は問わずどんな他の反則に対しても失格負けを宣告することができる。

・注意によるマイナスは、反則の種類に係わらずカウントされていく。

※よって反則によるアドバンテージは1試合中1度しかありえない。

■試合に対する消極性(ホールド)

・相手を同じ形で抑え込んで動かないでいる。ガードの攻防の際、上にいる下にいるのいずれに関わらず闘おうとしない、或いは勝負を決しようとせず、相手を掴まえるだけに留まっている。これらのように試合に対する消極性な態度を、「ホールド」の反則と定義する。

・ディフェンス(防御)とホールドは、明確にレフェリーによって判別される。「出来ることがあるのにそれをしようとしない=ホールド」とレフェリーが判断した選手に注意が与えられる。ただしディフェンスせざるを得ない状況であるとレフェリーが判断した場合は、注意の対象とは成らない。

・レフェリーに「ホールド」と判断された場合は、いかなる場合もまず口頭で注意を与える。その後レフェリーによって30秒が数えられても、攻撃を仕掛けたり、ポジションの変更を試みない場合は、選手にマイナス1、相手にアドバンテージがそれぞれ与えられる。さらにレフェリーによって再度30秒が数えられても状況に変化がない場合は、選手にさらにマイナス1、相手に2ポイントを与えた上でブレイクし、スタンドから勝負が再開される。3度目の注意以後、レフェリーはその種類、程度は問わず、他のどんな反則に対しても選手にさらにマイナス1、相手に2ポイントを与えるか、失格負けを宣告することができる。

■試合の統括と運営

●レフェリー

・レフェリーは競技領域内における最高の権威を持つものとし、試合を審判する全権を有する。これは議論の余地のないものであり、勝負の判定と失格の決定を行えるのはあくまでレフェリーのみである。何人たりとも、その審判結果を変えることはできない。

・この公式競技規則に規定されていない事態が発生した場合は、全てレフェリーの責任による基準と決定に従うものとする。