グラップリングの試合の注目はなんといっても8月31日開催の「Giグラップリング・ジャパンオープン2008」への
出場権をかけて行われたGiグラ・関東オープン・クラスAアブソリュート級のトーナメントだ。

その出場メンバーはアマ大会でやるにはもったいないぐらいの豪華な面子が顔をそろえた。

特にグラップリングで無類の強さを発揮する八隅孝平(パラエストラ東京)、ADCC日本代表の小澤幸康(TEAM-KAZE)
スーパーチャレンジ出場の遠藤亮太郎(ALLIANCE SQARE)、トリッキーな攻めが印象的な太田洋平(和術慧舟會A-3)、
ガードワークに絶対的な自信を持つ西林浩平(GRABAKA)ら日本を代表するトップグラップラーたちが階級の枠を超えて
競うのだからたまらない。


そのままプロでやってもおかしくないトーナメントとなった。

トーナメント本命と見られていた八隅は柔術的なポジショニングと持ち前のレスリング力をいかんなく発揮し順調に勝ち上がった。


特に2回戦のvs太田洋平戦では今大会イチの好勝負となった。


八隅のテイクダウン&ポジショニングに太田のトリッキーな攻めが交錯し次々にポジションが入れ替わる激しい試合展開を繰り広げ、
スピード感溢れるグラップリングの試合の醍醐味を大いに味あわせてくれた。


その八隅の準決勝戦で大きな山場を迎えた。

対するは渡辺直人(タイガープレイス)だ。


渡辺はレスリング出身の選手でここまでの試合ではその太目の体系に似合わず軽快な動きを見せ、ときたまプロレスまがいの技を
繰り出すなどしてユーモラスな試合展開で観客を大いに沸かせながらも、決してイロモノではない実力を垣間見せていた。

互いにレスリングをバックボーンとする両者の試合は立ち技の応酬になり、体重差もあってかこれまで猛威を奮っていた
八隅のテイクダウンは不発。

逆にマット際で危険な角度のジャーマンスープレックスで投げられ、初めてポイントを失った。

ポイントを先行された八隅はガードになってからも果敢に攻めるがことごとく潰されてしまい、最後は膠着気味に抑えこまれ万事休す。

優勝候補だった八隅はポイント2-0で伏兵の渡辺に敗れ、準決勝で姿を消した。

もう一方のブロックからはADCC日本代表だった小澤幸康が柔道仕込みの投げと押さえ込みの黄金パターンを連発し危なげなく
決勝戦に進出、前評判通りの活躍をみせていた。


そして迎えた決勝戦は柔道の小澤にレスリングの渡辺という顔合わせとなった。


互いに似たような体系の両者の試合はスタンドでの攻防に終始し展開の少ない試合となり、ポント、アドバンテージ共に無得点という
判定が難しい試合はその判定をレフェリーの手に委ねられることとなった。

そしてレフェリーは積極的に試合を動かそうとの意思が見られた小澤の攻めを支持し、小澤がこの僅差の試合を制しトーナメント優勝を
飾ると共に「Giグラップリング・ジャパンオープン2008」関東代表の座を射止めた。


安井IF-PROJECT新代表(左) 関東ブロック代表・小澤幸康選手(右)

今後、この「GiアマチュアBJJ&グラップリングオープントーナメント2008」は各地で開催されてその地方ごとの代表者を決定していく予定だ。

その代表者を集めた「チャンピオンズ・チャンピオン決定戦」といっていいGiグラップリング・ジャパンオープン2008は8/31に
東京・下北沢の北沢タウンホールで開催予定。

こちらの詳細は追って発表される。




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